2013年07月24日
神様が事故を起こしてくれました
【「プチ紳士からの手紙」コラム掲載4周年記念特別企画その11】
コラム掲載4周年を記念して、過去のコラム記事を掲載しています。
「プチ紳士からの手紙」

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「プチ紳士からの手紙」 2012年8月号
比田井和孝 ヒダカズの「ココロの授業」
「神様が事故を起こしてくれたのです」
二年前のある日、
岡山県の松井克(すぐる)さんという方が、私の学校に来ました。
私の本「私が一番受けたいココロの授業」を読んで
「実際の授業を見たい!」という思いだけで、
わざわざ長野まで見学に来てくださったのです。
私と松井さんは初対面。
授業前にお話をしていると、
松井さんが突然、
「実は僕、こう見えて身体障がい者なんです」と言うんです。
まったくそんな風に見えなかったので、キョトンとしていると、
「左足の太ももから下がないんです。この足は義足なんです」と、
ズボンをめくって左足を見せてくれました。
確かに義足です。
松井さんは「どうですか、サイボーグみたいでカッコいいでしょ!」
なんて、笑顔でホントに自慢げに言うんです。
実は松井さんは六年前、
仕事中の交通事故で左足を太ももから失いました。
事故前の仕事は薬の営業マン。
髪の毛は金色に染めていたそうです。
営業マンで金髪なんて、ちょっとありえないですよね。
当然、お客様からも会社からも
「なんだ、アイツは!」という目で見られていました。
それでも売上はトップだったので、
会社も松井さんに文句は言えず、見て見ぬふりでした。
松井さんは金髪にすることによって、
あえて自分自身を追い込んだのです。
「これが俺のやり方だ!
実績を上げれば文句ないだろ!」
と言わんばかりに、
家庭も顧みず、睡眠も削って働いていました。
「営業成績一位」を守るために必死だったのです。
仕事ができない人を見かけると、
「できないなら、できるようになればいいじゃないか!
努力が足りないんだ!」
と思っていました。
当然、体も心も悲鳴を上げました。
それでも、一位を取るために、休むわけにはいきません。
自分自身を追い込んでしまった松井さんには
働くしか方法がありませんでした。
そしてそんな時に、事故に遭ったのです。
お医者さんは松井さんに、
「松井さん、左足はなくしたけど、
命だけは助かったから良かったね。」と声をかけました。
みなさんだったら、こう言われて
「そうですね。良かったです!」なんて思えますか?
もしも私が松井さんの立場だったら、
「何を言ってるんだ! 俺は足を失くしたんだぞ!
こんなに頑張ってやってきたのに、なんでこんなことになるんだ!
なんで俺ばっかり…」と思っていたかもしれません。
でも、松井さんは素直に、
「確かにそうだ。命があって良かった!」と感じ、
「もしかしたら、今までの生き方に原因があったんじゃないか…?」と考え始めたのです。
松井さんは、
「神様が、『もう、いい加減にした方がいいんじゃないか』って教えるために
…僕に気づかせるために、事故を起こしてくれたんだと思います。
僕は、左足を失うまで、
自分の生き方が間違っていたことに気づかなかったんです。」
と言っていました。
それまで、仕事仕事で、
まったく家庭のことを考えていなかった松井さんは、
この事故をきっかけに、本当に家族を大事にするようになったそうです。
家族に感謝の気持ちでいっぱいだともおっしゃっていました。
松井さんが左足を失った時、
奥様は、
「やっと私のところに帰ってきたと思った」
とおっしゃったそうです。
松井さんは
「左足を失くしたおかげで、たくさんの事を教えてもらいました。
左足を失くしたおかげで、たくさんのものを手に入れました」
と語っています。
松井さんはいつも、
「左足を失くした『せいで』」ではなく、
「左足を失くした『おかげで』」と口にするのです。
きっと、こう考えられるようになるまでには、
私には想像できないような苦しみや辛さがあったことでしょう。
松井さんは、たくさん悩み、苦しみ、涙する中で、
「このことは自分に何を教えてくれているのだろう?」
…と考えるようになりました。
そしてその時から、松井さんの人生がガラッと変わり始めたのかもしれません。
松井さんは、
大変なリハビリも持ち前の明るさとバイタリティーでこなし、
たった一年半で、以前の仕事に復帰しました。
すごい早さです。
奇跡としか言いようがありません。
その後、
「与えられたこの命を、誰かのために使いたい。
誰かの役に立ちたい!」
と考え、キャリアカウンセラーを目指して勉強を始めました。
それまで、「自分が一番になるために」と
ガツガツ仕事をしていた人とは思えないですよね。
そしてその頃、
「私が一番受けたいココロの授業」の本と出会ったそうです。
奥様が入院をされた時に、
クロスワードパズルの本でも買って持っていこうと本屋さんに寄って、
たまたまこの本を手にしたとか。
「妻が入院したおかげなんです!
そのおかげで、比田井先生と出会えました!」
…ここでも、松井さんの言葉はやっぱり「○○のおかげ」なのです。
松井さんは、そんな話を、
笑顔で、目をキラキラさせながら語ってくれました。
…こういう人をカッコいいと言うのでしょうね。
私は松井さんから、いろんな意味で「強さ」を感じました。
さらに、ものすごく気持ちの良い、「潔さ」や「覚悟」も。
野口嘉則さんの著書「鏡の法則」に、
「人生で起きる問題は、何か大切なことを気づかせてくれるために起きる。
だから、自分に解決できない問題は起きない」
というメッセージがありましたが、
松井さんの生き方は、まさにその言葉通りだと感じました。
松井さんの「あり方」から、たくさん勉強させていただきました。
(「プチ紳士からの手紙」 2012年8月号より引用)

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「プチ紳士からの手紙」 2012年8月号
比田井和孝 ヒダカズの「ココロの授業」
「神様が事故を起こしてくれたのです」
二年前のある日、
岡山県の松井克(すぐる)さんという方が、私の学校に来ました。
私の本「私が一番受けたいココロの授業」を読んで
「実際の授業を見たい!」という思いだけで、
わざわざ長野まで見学に来てくださったのです。
私と松井さんは初対面。
授業前にお話をしていると、
松井さんが突然、
「実は僕、こう見えて身体障がい者なんです」と言うんです。
まったくそんな風に見えなかったので、キョトンとしていると、
「左足の太ももから下がないんです。この足は義足なんです」と、
ズボンをめくって左足を見せてくれました。
確かに義足です。
松井さんは「どうですか、サイボーグみたいでカッコいいでしょ!」
なんて、笑顔でホントに自慢げに言うんです。
実は松井さんは六年前、
仕事中の交通事故で左足を太ももから失いました。
事故前の仕事は薬の営業マン。
髪の毛は金色に染めていたそうです。
営業マンで金髪なんて、ちょっとありえないですよね。
当然、お客様からも会社からも
「なんだ、アイツは!」という目で見られていました。
それでも売上はトップだったので、
会社も松井さんに文句は言えず、見て見ぬふりでした。
松井さんは金髪にすることによって、
あえて自分自身を追い込んだのです。
「これが俺のやり方だ!
実績を上げれば文句ないだろ!」
と言わんばかりに、
家庭も顧みず、睡眠も削って働いていました。
「営業成績一位」を守るために必死だったのです。
仕事ができない人を見かけると、
「できないなら、できるようになればいいじゃないか!
努力が足りないんだ!」
と思っていました。
当然、体も心も悲鳴を上げました。
それでも、一位を取るために、休むわけにはいきません。
自分自身を追い込んでしまった松井さんには
働くしか方法がありませんでした。
そしてそんな時に、事故に遭ったのです。
お医者さんは松井さんに、
「松井さん、左足はなくしたけど、
命だけは助かったから良かったね。」と声をかけました。
みなさんだったら、こう言われて
「そうですね。良かったです!」なんて思えますか?
もしも私が松井さんの立場だったら、
「何を言ってるんだ! 俺は足を失くしたんだぞ!
こんなに頑張ってやってきたのに、なんでこんなことになるんだ!
なんで俺ばっかり…」と思っていたかもしれません。
でも、松井さんは素直に、
「確かにそうだ。命があって良かった!」と感じ、
「もしかしたら、今までの生き方に原因があったんじゃないか…?」と考え始めたのです。
松井さんは、
「神様が、『もう、いい加減にした方がいいんじゃないか』って教えるために
…僕に気づかせるために、事故を起こしてくれたんだと思います。
僕は、左足を失うまで、
自分の生き方が間違っていたことに気づかなかったんです。」
と言っていました。
それまで、仕事仕事で、
まったく家庭のことを考えていなかった松井さんは、
この事故をきっかけに、本当に家族を大事にするようになったそうです。
家族に感謝の気持ちでいっぱいだともおっしゃっていました。
松井さんが左足を失った時、
奥様は、
「やっと私のところに帰ってきたと思った」
とおっしゃったそうです。
松井さんは
「左足を失くしたおかげで、たくさんの事を教えてもらいました。
左足を失くしたおかげで、たくさんのものを手に入れました」
と語っています。
松井さんはいつも、
「左足を失くした『せいで』」ではなく、
「左足を失くした『おかげで』」と口にするのです。
きっと、こう考えられるようになるまでには、
私には想像できないような苦しみや辛さがあったことでしょう。
松井さんは、たくさん悩み、苦しみ、涙する中で、
「このことは自分に何を教えてくれているのだろう?」
…と考えるようになりました。
そしてその時から、松井さんの人生がガラッと変わり始めたのかもしれません。
松井さんは、
大変なリハビリも持ち前の明るさとバイタリティーでこなし、
たった一年半で、以前の仕事に復帰しました。
すごい早さです。
奇跡としか言いようがありません。
その後、
「与えられたこの命を、誰かのために使いたい。
誰かの役に立ちたい!」
と考え、キャリアカウンセラーを目指して勉強を始めました。
それまで、「自分が一番になるために」と
ガツガツ仕事をしていた人とは思えないですよね。
そしてその頃、
「私が一番受けたいココロの授業」の本と出会ったそうです。
奥様が入院をされた時に、
クロスワードパズルの本でも買って持っていこうと本屋さんに寄って、
たまたまこの本を手にしたとか。
「妻が入院したおかげなんです!
そのおかげで、比田井先生と出会えました!」
…ここでも、松井さんの言葉はやっぱり「○○のおかげ」なのです。
松井さんは、そんな話を、
笑顔で、目をキラキラさせながら語ってくれました。
…こういう人をカッコいいと言うのでしょうね。
私は松井さんから、いろんな意味で「強さ」を感じました。
さらに、ものすごく気持ちの良い、「潔さ」や「覚悟」も。
野口嘉則さんの著書「鏡の法則」に、
「人生で起きる問題は、何か大切なことを気づかせてくれるために起きる。
だから、自分に解決できない問題は起きない」
というメッセージがありましたが、
松井さんの生き方は、まさにその言葉通りだと感じました。
松井さんの「あり方」から、たくさん勉強させていただきました。
(「プチ紳士からの手紙」 2012年8月号より引用)

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Posted by 比田井美恵 at
23:09
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