2013年08月29日
あこがれ先生ながの3
まずは、
「なぜあこがれ先生プロジェクトをするのか?」について
文昭さんが語ってくれました。

全国各地を講演してまわって
いろんな先生たちに出会うんだけど、
いつも思うのは、
「学校の先生たち、ものすごく頑張っているなぁ~!」ってこと。
生徒のためにすごく頑張っていて、
やらなきゃいけないこともたくさんあって…
ほとんどの先生たちが本当に頑張っているのに、
テレビや報道では、
ごく一部の先生の不祥事を大々的に報道していますよね。
そうすると、子供は「先生」という職業の人を
尊敬できなくなってしまう。
子供が、尊敬できない大人から
物を学ぶなんてこと、できないですよ。
だから今、子供たちは
「先生にだけはなりたくない」って言うんですよね。
大変そうだし、
文句言われるし…って。
子供が自分たちの両親以外で初めて出会う
一生懸命に働く大人が「先生」なんです。
初めて出会う大人である「先生」が楽しそうに働いていたら、
子供たちも
「先生って楽しそう」「仕事って楽しそう」
早く大人になりたいって思うんですよね。

正直、講演でいろんな生徒たちと出会って、
「日本の未来は危ないんじゃないか」と思う場面もあったんです。
騒いでいたことを注意されて、
先生に対して
「殴れるもんなら殴ってみろ!」なんて言ったりして。
でも、そんなの、
社会では通らないですよね。
だからかわいそうなのは、生徒なんですよ。
子供たちを良くするために、
遠回りかもしれないけど、
先生たちに元気になってほしいと思って。
楽しく、頑張っている先生や
子供から憧れられている先生もいるんだよってことを伝えて、
そんな先生たちからヒントをもらって
あこがれられる先生がどんどん増えていってほしいんです。
----------
話題は、「スイッチが入る瞬間」について
うつっていきました。
文昭さんがヒダカズに聴きました。
「比田井先生の学校では、何かがあって
ものすごく変わったと思えるような生徒さんとかいましたか?」
もっとも印象的だった学生はN君ですね。
彼は、一人暮らしがしたいという理由でウエジョビに来ました。

彼が言うには、高校時代、
友達から「お前、自殺するんじゃないの」って言われるくらい
暗い生徒だったんですって。
周りの人のことにまったく興味がなかったって言ってました。
遅刻したり、平気で学校さぼったり、授業中も寝ていたりばかり
だったそうです。
そんなN君がウエジョビに入学してきたわけですが、
ウエジョビは、そんな授業態度を許さないんですね。
入学して数日後、
ある先生に呼び出されてこっぴどく叱られます。
1時間くらい。
それまで、高校時代はどんなに寝ても遅刻をしても
まったく怒られなかったのに、
こんなに叱られて、
後で彼は、
「あんなに本気で叱られたのは
生まれて初めてだった」って言ってました。

そして、「おれ、まずかったかな」って思ったそうです。
それから、彼は授業をまじめに受けるようになりました。
それからしばらく経ったある日のこと、
クラスメートがN君に
勉強のことで質問に来たんですって。
で、N君は普通に教えてあげたら、
友達が「ありがとう」と言って
席に帰って行ったそうです。
…これ、どこの教室でも見られる
普通の光景ですよね。
でも、N君は、
「人から感謝されて、心からの『ありがとう』を言ってもらうなんて
今までなかった…」って思ったんですって。
「ありがとう」が本当に嬉しかったんですね。
その瞬間から、
N君の勉強の目的が変わったんです。
それまでは「難しい資格を取るため」に勉強してました。
でも、その日からは
「クラスメートがいつ、どんな質問をしてきても教えられるように
勉強しよう」
に変わったんです。

それからN君は、毎日夜8時まで
教室に残って、クラスメートに勉強を教えるようになったんです。
毎日ですよ。
自分の勉強もあるのに、
友達に教えるために学校に残って…。
実は、このN君のクラスは、「奇跡のクラス」って言われていたんです。
と言うのも、普通ならクラスの3~4割の人しか合格できない国家試験に、
このクラスは7割も合格したんですよ。
私はそのころ、
N君がそんな風に勉強を教えていたなんて知らなかったのですが、
N君の話を聞いて、納得しました。
それだけN君の功績は大きかったんですよね。
で、私は、彼に聞いたんです。
「それだけ友達に教えてあげたりしていたら
何かいいことあったんじゃないの?」って。
そしたら彼はこんな話をしてくれたんです。
2年生の時の6月、彼の誕生日。
クラスメートの山田君が、
「今日N君の誕生日だから、
二人で鍋でもしようよ」って言ってくれたんですって。
そしたらその日、
彼のアパートの部屋に入りきらないくらいの友達が
誕生日を祝って駆けつけてくれたんです。
みんなプレゼントを持って。
さらに翌日も
「昨日はバイトだったから行けなくてごめんね」って、
たくさんの友達がプレゼントを持ってきてくれた。
…彼は、抱えきれないくらいのプレゼントを持って帰って
アパートの部屋で
一人、泣いたって言ってました。
何をやるかじゃないんですよね。
「何のために」が変わった瞬間にスイッチが入るんですよね。

続きます。
「なぜあこがれ先生プロジェクトをするのか?」について
文昭さんが語ってくれました。
全国各地を講演してまわって
いろんな先生たちに出会うんだけど、
いつも思うのは、
「学校の先生たち、ものすごく頑張っているなぁ~!」ってこと。
生徒のためにすごく頑張っていて、
やらなきゃいけないこともたくさんあって…
ほとんどの先生たちが本当に頑張っているのに、
テレビや報道では、
ごく一部の先生の不祥事を大々的に報道していますよね。
そうすると、子供は「先生」という職業の人を
尊敬できなくなってしまう。
子供が、尊敬できない大人から
物を学ぶなんてこと、できないですよ。
だから今、子供たちは
「先生にだけはなりたくない」って言うんですよね。
大変そうだし、
文句言われるし…って。
子供が自分たちの両親以外で初めて出会う
一生懸命に働く大人が「先生」なんです。
初めて出会う大人である「先生」が楽しそうに働いていたら、
子供たちも
「先生って楽しそう」「仕事って楽しそう」
早く大人になりたいって思うんですよね。
正直、講演でいろんな生徒たちと出会って、
「日本の未来は危ないんじゃないか」と思う場面もあったんです。
騒いでいたことを注意されて、
先生に対して
「殴れるもんなら殴ってみろ!」なんて言ったりして。
でも、そんなの、
社会では通らないですよね。
だからかわいそうなのは、生徒なんですよ。
子供たちを良くするために、
遠回りかもしれないけど、
先生たちに元気になってほしいと思って。
楽しく、頑張っている先生や
子供から憧れられている先生もいるんだよってことを伝えて、
そんな先生たちからヒントをもらって
あこがれられる先生がどんどん増えていってほしいんです。
----------
話題は、「スイッチが入る瞬間」について
うつっていきました。
文昭さんがヒダカズに聴きました。
「比田井先生の学校では、何かがあって
ものすごく変わったと思えるような生徒さんとかいましたか?」
もっとも印象的だった学生はN君ですね。
彼は、一人暮らしがしたいという理由でウエジョビに来ました。
彼が言うには、高校時代、
友達から「お前、自殺するんじゃないの」って言われるくらい
暗い生徒だったんですって。
周りの人のことにまったく興味がなかったって言ってました。
遅刻したり、平気で学校さぼったり、授業中も寝ていたりばかり
だったそうです。
そんなN君がウエジョビに入学してきたわけですが、
ウエジョビは、そんな授業態度を許さないんですね。
入学して数日後、
ある先生に呼び出されてこっぴどく叱られます。
1時間くらい。
それまで、高校時代はどんなに寝ても遅刻をしても
まったく怒られなかったのに、
こんなに叱られて、
後で彼は、
「あんなに本気で叱られたのは
生まれて初めてだった」って言ってました。
そして、「おれ、まずかったかな」って思ったそうです。
それから、彼は授業をまじめに受けるようになりました。
それからしばらく経ったある日のこと、
クラスメートがN君に
勉強のことで質問に来たんですって。
で、N君は普通に教えてあげたら、
友達が「ありがとう」と言って
席に帰って行ったそうです。
…これ、どこの教室でも見られる
普通の光景ですよね。
でも、N君は、
「人から感謝されて、心からの『ありがとう』を言ってもらうなんて
今までなかった…」って思ったんですって。
「ありがとう」が本当に嬉しかったんですね。
その瞬間から、
N君の勉強の目的が変わったんです。
それまでは「難しい資格を取るため」に勉強してました。
でも、その日からは
「クラスメートがいつ、どんな質問をしてきても教えられるように
勉強しよう」
に変わったんです。
それからN君は、毎日夜8時まで
教室に残って、クラスメートに勉強を教えるようになったんです。
毎日ですよ。
自分の勉強もあるのに、
友達に教えるために学校に残って…。
実は、このN君のクラスは、「奇跡のクラス」って言われていたんです。
と言うのも、普通ならクラスの3~4割の人しか合格できない国家試験に、
このクラスは7割も合格したんですよ。
私はそのころ、
N君がそんな風に勉強を教えていたなんて知らなかったのですが、
N君の話を聞いて、納得しました。
それだけN君の功績は大きかったんですよね。
で、私は、彼に聞いたんです。
「それだけ友達に教えてあげたりしていたら
何かいいことあったんじゃないの?」って。
そしたら彼はこんな話をしてくれたんです。
2年生の時の6月、彼の誕生日。
クラスメートの山田君が、
「今日N君の誕生日だから、
二人で鍋でもしようよ」って言ってくれたんですって。
そしたらその日、
彼のアパートの部屋に入りきらないくらいの友達が
誕生日を祝って駆けつけてくれたんです。
みんなプレゼントを持って。
さらに翌日も
「昨日はバイトだったから行けなくてごめんね」って、
たくさんの友達がプレゼントを持ってきてくれた。
…彼は、抱えきれないくらいのプレゼントを持って帰って
アパートの部屋で
一人、泣いたって言ってました。
何をやるかじゃないんですよね。
「何のために」が変わった瞬間にスイッチが入るんですよね。
続きます。
Posted by 比田井美恵 at
22:47
│Comments(2)