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2009年12月21日

81 思いやりのある子に育ちますように…



昨日、福岡の博多青松高校で講演をしてきました。
(この記事は、2009年5月に配信されたものです)

昨年の5月に、初めて博多青松高校で講演をして、
今年も呼んでいただきました。

この高校では、1年に1度、
全国から何人も講師の先生を呼んで、
生徒さんは希望の講座を受けます。

昨年、私の講座には、180人ほどの生徒さんが来てくれました。
ところが、今年は2倍の360人以上の生徒さんが集まってくれました。
昨年・今年と続けて聴いてくれた生徒さんもたくさんいました。
本を買ってくれていた人もいました。

私の演台の周りには
「楽しみにしていました!少しでも近くで聴きたくて!」
と言って、何人もの生徒さんが来てくれました。

嬉しかったです。
来てくれたみなさん、ありがとうございました!

今回の福岡行きで私は一冊の本を持って行きました。
「飛鳥へ、そしてまだ見ぬ子へ」(著:井村和清 出版:祥伝社)という本です。

高校生や中学生のみなさんで知っている人は、
ほとんどいないと思います。
それもそのはず、この本は
私が11才、つまり29年前に出版された本なんです。

当時、本なんか読んだことがなかった私でさえ、
この本のタイトルは何度も聞きました。
大ヒットした本なんです。

ところが、私は今日までこの本を読んだことがありませんでした。
たまたま、昨日、荷物にならないようにと選んだ文庫本が
この本だったのです。

内容はだいたい知っていました。
野口嘉則さんや、美恵先生がいいと言っていたので、
いつかは読みたいと思っていたんです。

この本を書いたのは井村和清さん。

当時、30歳の井村はお医者さんでした。
右膝に悪性の腫瘍がみつかり、
その転移を防ぐために、右足を切断します。

義足で仕事にも復帰を果たすのですが、
数ヵ月後に肺への転移がみつかり、
その後、数か月で亡くなってしまいます。

この本はその井村さんが
娘の「飛鳥ちゃん(まだ、1歳ぐらいだと思います)」と
奥さんのおなかの中にいる「まだ見ぬ子」
へ書いた手紙なんです。

その一部を紹介しますね。こんな手紙です。

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「ふたりの子供たちへ」

心の優しい、思いやりのある子に育ちますように。
悲しいことに、私はお前たちが大きくなるまで待っていられない。

もう、あとどれだけも、
私はおまえたちのそばにいてやれない。

こんな小さなおまえたちを
残していかねばならぬのかと思うと胸が砕けそうだ。

いいかい。心の優しい、思いやりのある子に育ちなさい。
そして、お母さんを大切にしてあげなさい。
おまえたちを育てるために、
お母さんはどんな苦労もいとわなかった。

そして、私にも心を尽くして親切にしてくれた。

父親がいなくても、胸を張って生きなさい。
サン・テグジュペリが書いている。
大切なものはいつだって、目には見えない。
人はとにかく、目に見えるものだけで判断しようとするけれど、
目に見えているものは、いずれは消えてなくなる。
いつまでも残るものは、目には見えないものなのだよ。

人間は死ねば全てが無に帰するわけではない。
目には見えないが、私はいつまでも生きている。
お前たちと一緒に生きている。

だから、私に逢いたくなる日がきたら、手を合わせなさい。
そして、心で私を見つめてごらん。

いま、私は熱がある。咳きこんで苦しい。
けれども、腕が動くあいだに書いておきたいことがある。
これは私が父親としておまえたちに与えうる唯一の贈り物だ。

お母さんを守ってあげなさい。
ふたりの力で守ってあげれば、どんな苦労だって乗り越えられるよ。

そしてもし、私が死んだあと、
お母さんが淋しがっていたら、慰めてあげなさい。

やがて、もしもお母さんの淋しさを忘れさせてくれる人が現れたら、
再婚させてあげなさい。
人間はいつまでもひとりでいるものではない。
ひとりぼっちでいることほど悲しいことはない。

思いやりのある子とは、
まわりの人が悲しんでいればともに悲しみ、
よろこんでいる人がいれば、
その人のために一緒によろこべる人のことだ。

思いやりのある子は、まわりの人を幸せにする。
まわりの人を幸せにする人は、まわりの人々によって、
もっともっと幸せにされる、世界で一番幸せな人だ。
だから、心のやさしい、思いやりのある子に育って欲しい。

それが私の祈りだ。

さようなら。

私はもう、いくらもおまえたちの傍にいてやれない。
お前たちが倒れても、手を貸してやることもできない。
だから、倒れても倒れても自分の力で起き上がりなさい。

さようなら。
おまえたちがいつまでも、いつまでも幸せでありますように。

雪の降る夜に 
父より
------------------------------

みなさん、いかがですか?
私は涙が出ました。

この本を読み終えたのは、
羽田から浜松町に向かうモノレールの中です。

この本の最後にお葬式の時に読み上げられた、弔辞が載っていました。
井村さんの働いていた病院の院長先生、友人、親戚の方の弔辞です。
もう読んでいて、涙が止まらなくなってしまいました。

でも、こんなに素晴らしいお父さんをもった
二人のお子さんは幸せですね。
いいお父さんを持ちましたよね。

「思いやりのある子は、まわりの人を幸せにする。
 まわりの人を幸せにする人は、
 まわりの人々によって、もっともっと幸せにされる、
 世界で一番幸せな人だ。」

まさしく、「与える者は与えられる」ですね。

この井村さんは
「自分は患者さんを診るために、医者になりました。
 だから、体が動くうちは仕事をします」
と言って、自分の命が数ヶ月しかないとわかってからも
「患者さんを残して、自分だけ逃げられない」と言って働き続けます。

佐藤芳直さんも、
「自分が死ぬ時に、『どんな死に方をしたいか』を考える時、
『生き方』が決まる」と言っています。

「何のために働くのか」ですね。

飛鳥へ、そしてまだ見ぬ子へ」(著:井村和清 出版:祥伝社)、ぜひ読んでみてください。

今日は長くなってしまいましたね。

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Posted by 比田井美恵 at 19:43│Comments(0)比田井通信
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