■ヒダカズのココロの授業-比田井通信

中村さんの師匠は、２４時間、
「０．２秒の返事をして、相手の予測を上回る仕事をしろ！」
と言うわけです。これが、本気なんです。

ある日、こんなことがあったそうです。
暑い日だったそうです。

師匠の友人が訪ねてきました。
師匠は、「ジュースを２本買って来い」と言って、
中村さんに200円を渡したそうなんですね。
（当時はジュースが１００円でした）

受け取った中村さんは、
「わかりました」って言って、ジュースを買いに行きます。

ジュースを買って、戻ってくると
２階にいるはずの師匠が道に出ていて、
仁王立ちなんですって。

「あれっ？なんであんな所にいるんだろ。」と思い
走って師匠のところに行って、
「ジュース、お待たせしました」って言いながらジュースを渡すと、
そのジュースを受け取った瞬間、
師匠は、思いっきり中村さんを殴ったそうです。

中村さんは、
　　「言われたことを言われたとおりにやって、
　　　なんで殴られなきゃいけないんですか？」
と思ったそうですが・・

師匠はこう言います。

　「俺はお前にジュースを買って来いって言ったんじゃないんだよ。
　　お前に、俺の友達を喜ばせるチャンスをあげたんだよ。

　　俺に２００円渡された時、『試されている』って思わなかったんか？
　　俺はお前のことを２階の窓から、ず～っと見てたんだよ。

　　そしたら、お前は暑いからって、日陰に寄って、
　　タバコ吸いながら、背中丸めて、ダラダラ歩いて行ったよね。
　　あれ、仕事をしている姿じゃないよ。

　　いつ、気付くかなと思って見ていたけど、
　　お前、最後まで歩いて行ったよね。

　　俺がお前の立場だったら、200円もらった時、
　　『あんたら、俺を試しているんだね。
　　見てろよ、ビックリさせてやるからね～』って、
　　炎天下だからこそさ、ダッシュでジュース買ってきて
　　『お待たせしました！』って渡すと思うよ。

　　この炎天下の中、
　　ダッシュして走ってきたら、汗ば噴き出すわね。
　　『ハー、ハー』って肩で息してジュース渡したら、
　　俺の友達は驚いて、
　　『なんで、そんなに走って来たの？』って聞くだろうね。

　　そのときに
　　『僕の仕事はジュースを買ってくることじゃないんです。
　　　一秒でも早く飲んでもらうために体を動かすのが、
　　　若い側の人間のやることだって、
　　　いつも、教えられていますから。
　　　僕の仕事はあなたに喜んでもらうことなんです』

って言ったら、
俺の友達は『は～』って言って
お前のこと、一生忘れないと思うよ。

そして、何十人にもお前の話をすると思うよ。
ジュース一本で人の記憶に一生残ることだってできるんだよ。

お前は、100円のジュースだからバカにしたんか？
100円のジュースをバカにするなっ！」
って言ったそうです。

師匠は凄いこと言いますよね。
でも、本当にここまでやったら、
確かに人生変わると思います。

もちろん、中村さんは次からはダッシュです。

「予測を上回る」って言うのはそういうことなんですね。

なんでも予測を上回ることってできるんですよね。
「あいさつ」だって「そうじ」だって、
なんだってできるんですよね。

さぁ、今週も相手の予測を上回って頑張りましょう！

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