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2014年02月18日

ウエジョビを作った男3「お金の使いどころ」

私が一番書きたかったこと…「私の父 佐藤勲について」連載の続きです。

↓前回の記事はこちら
ウエジョビを作った男1「大変も何も、当たり前だったから…」
ウエジョビを作った男3「お金の使いどころ」


ウエジョビを作った男2「収入よりも学生の幸せを…」
ウエジョビを作った男3「お金の使いどころ」


私は、父のお金の使い方が好きです。
こんなにメリハリのついたお金の使い方をする人は
他に知りません。

まず、自分でも言っていますが、
かなりの「ケチ」です。

今までにも何度も書いていますが、
長野県内100校以上の高校を訪問する時、
一度も高速道路を使いませんでした。

長野県は縦に広いので、
上田から、県の南端部にある高校まで行くと、
200キロ近くあります。
でも、その道のりを延々と一般道で行くのです。

しかも、効率よく訪問するために、
一番遠い高校に朝の9時前に着くように出かけ、
そこから上田方面に向かいながら高校訪問をしていくのです。

そのために、遠いところに出かける時は
学校出発が朝5:30。

自分はどんなに苦労してでも、
とにかくお金をかけない方法を考えるのです。

私は、ウエジョビの仕事に就く前は
会社員で
システムエンジニアとして働いていました。

そこでのマンパワー(人件費)の計算方法の基礎は
「人・時」(人数×時間)でした。

つまり何人で何時間かかるか、によって
費用を計算していたのです。

ですので、
「時間はできるだけ少ない方が
 費用が少なく済む」
という固定観念があったので

父の「俺は、時間はいくらかかっても関係ない」という考え方が
なかなか心にしっくりきませんでした。

「高速道路を使えば、その分
 貴重な時間が節約できるんだから、
 高速道路代を払っても、その方が安いじゃない」

と思っていたんですね。

でも、経営者からしたら、まったく違うんですね。
結局は、「出ていくお金がいくらか」ということが重要なんです。

自分の時間をいくら使っても
残業代を出すわけでもないので
出ていくお金は変わりません。

でも、高速道路を使えば
その分確実に出費が増えるのです。

だからいつでも
「俺はいくら苦労しても関係ない。
 とにかく出ていくお金を少なくしないと…」と
考えていたんですね。

そのため、高校まわりをする時の交通手段も
ずいぶん長いこと「バイク」でした。
ホンダのスーパーカブで
長野県中、どこでも行っていました。

その理由は「燃費がいいから」。
それだけです。

バイクで毎日何百キロも…
雨の日もあったでしょうに…
本当に頭が下がります。

当時、ウエジョビも学生数200名を超え、
ビルも2つありました。

その創業者ですから、
高級外車に乗っていてもおかしくありません。
むしろその方が似合っているくらいです。

それでもホンダスーパーカブで
長野県中を走り回っていたのです。

バイクは72歳で降りたのですが、
そのきっかけは交通事故。

父がバイクで直進していた時に
右折のタクシーにはねられて
大腿骨骨折、4か月近く入院しました。

バイクはもちろん廃車だったので、
それを機に、バイクを辞めてもらいました。

車も持っていましたが、
いつでも中古車でした。

彼の自慢は
「いかにお買得の車を買ったか」でした。

良く
「車検まで2年以上ある車を、10万で買ったんだぞ」
なんて自慢していました。

私が大学に入学した当時、
彼の載っていた車は、確かコロナで
自慢の「7万円」だったのですが…

私の大学での交通手段として買ってくれた原付が
新車で10万円。

…父は、校長をしていながら7万円の中古車で
私は学生の分際でありながら
10万円の原付、しかも新車…ということが
とても不思議な感じでした。

でも、私もいつの間にか、
「私の父って、私の原付より安い車に乗っているんだよ」と
なぜか自慢げに言うようになっていました。^_^;

その後、80歳くらいになってから
やっと新車に乗るようになりましたが
それもプレミオというセダンの車。
彼の仕事を考えたら、決して高い車ではありません。

85歳くらいからは軽自動車(ダイハツ ムーブ)がお気に入り。
俺はこれでいいからと言って愛用し、

だけど、私たちが使う公用車には
プリウスやステップワゴンなど
父の車よりもずいぶん値段が高い車を
準備してくれていました。

購入するときに私が
「そんなに高い車じゃなくてもいいんじゃない?」と言うと
「ガイダンスで遠くに行ってもらって
 頑張ってきてくれるんだから、
 少しでも気持ちよく乗ってもらいたいじゃないか」と
言っていました。

進学ガイダンスなどで他の学校の先生たちとお話をすると
「公用車」を持っていない学校もあり、
自分の車でガイダンスに出かけ
ガソリン代だけ出してもらう、というところもあるようです。

その方が、学校としては購入費用はもちろん、
保険料も維持費も駐車代もかからず
経費は節約できます。

でも、父は断じて「公用車派」でした。
できるだけ職員の負担を少なくさせたいから、だそうです。

例えば、車の維持費。
ウエジョビの先生方は全員車を持っているので、
物理的にはそれを仕事でも使ってもらうことは可能かもしれません。

でも、使えば使うほど走行距離も伸び
消耗していくので
…実際にはガソリン代だけではない部分で
職員に負担をさせていることになるんだと
言っていました。

また、何か事故があった時に
自分の車であれば
自分で保険屋さんに連絡したり交渉したりすることになります。
でも、学校の車なら
学校が保険屋さんと手続きをすることになります。
職員の手を煩わせなくてすむのです。

ちなみに、今までに職員が保険を使うような事故を起こしたことは
一度もないのですが、
自分がそのバイクの事故を起こした時に
「もしも職員が事故を起こしたら…」と考えたようです。

そんなわけで、
年々公用車が増え、今では6台もあります。

自分のことにはお金を使わないけれども
職員のために必要だと思えば、
しっかりお金をかけてくれるんですね。

彼は生活ぶりも質素です。
毎晩晩酌はするのですが、
外で飲むことはほとんどありません。

外での飲食は
自治会やロータリークラブ、専門学校の集まり、学校の歓送迎会
などの集まりだけで、年に数回。

自ら居酒屋などで飲むことはありませんでした。
それもやっぱり
「家で飲んだ方が安いから」です。

たまに、私たちが誘って外食をすると、いつも
「生ビール一杯650円か、
 家で飲めば大びん2本分だわ~。もったいないなぁ…」
なんて、酔いながらも計算していましたね。^^;

おしゃれにも気を使わず、
遊びに行くこともせず、
ためたお金はすべて学校に投資。

学校のためになることであれば、
お金は惜しまず思い切りよく使ってくれていました。

続きます。



Posted by 比田井美恵 at 23:59│Comments(2)
この記事へのコメント
日本中 呼ばれればどこでもハーレーでかけつけて すでに地球を何周もしている 自称「不良牧師」という稀有な牧師さんもいらっしゃいますが、ウエジョビ創業者も なかなかのもんだったんですね~

他人にはやさしく、自分には厳しく・・・という生き方をされていらっしゃる方は 文句なしに尊敬できます。
Posted by 和尚 at 2014年02月22日 13:48
和尚さん

そんな牧師さんがいらっしゃるんですね!
ビックリです!

「他人にはやさしく、自分には厳しく…」
まさに父はそういう人ですね。
だからこそ、説得力があるんですよね。何をしても、何を言っても。
見習いたいです。
Posted by 比田井美恵比田井美恵 at 2014年03月01日 14:55
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