40 至誠19 0.2秒の返事

比田井美恵

2009年11月01日 19:24



さてさて、前回のつづきです。

Tさんの生き方に感動した中村さんは、
ついにTさんの弟子になります。
その、中村さんが最初に師匠となったTさんから言われたのは、
「お前の仕事は返事をすることだ」です。

師匠
 「いいか、お前の一番大事な仕事は返事をすること。
 俺がお前に何か言ったら必ず、0.2秒で返事をしろ。
 人は誰でも、返事をする前に、
 それは自分にとって得なことか損なことかを考える。

 そして、返事をする前に自分の都合を言ったり、
 やりもしないで、
 『僕はこっちの方がいいと思うんですよね』なんて
 自分の理想を語るヤツ、これが、最も愚かなことなんだ。

 そうじゃなくて、
 俺が言ったことはすべて0.2秒の返事をして受け入れろ。
 まずは受け入れることから始まるんだよ。」

そう言われた中村さんは
 「返事なんて昔から言われていること、
 それくらいなら自分にもできる」と思ったそうです。

そうして、中村さんは師匠たちの住んでいる車庫の2階の部屋に
一緒に住むことになります。

その部屋は六畳二間で、風呂もキッチンもなかったそうです。
合計12畳に6人で住みますから、
一人分のスペースは2畳だけですよね。

しかも、壁には「金曜日はフロ日」って書いて貼ってあったそうです。
中村さんは最初意味がわからなかったそうなんですが、
師匠がが「俺たちは、週に一度しかフロに入らないんだよ」って言うんです。

それを聞いた、中村さんは
「え~、僕、貧乏だ貧乏だって言ったって、
 いままでフロぐらいは毎日入っていましたよ~!」
って言ってしまうんです。

その瞬間、師匠の右手が中村さんの胸ぐらをガッとつかみます。

 「おまえ、毎日フロに入れないのが嫌だったら、出てけ!
 フロごときがなんぼのもんじゃ!フロなんて毎日入らなくても、
 死にゃ~せんのだから、それが嫌だったら出てけ!

 お前、返事をする前に、自分の都合考えただろ!
 『毎日清潔にしていなきゃ、女の子に嫌われるし、あ~だし、こ~だし』
 って、だろ?
 0.2秒の返事ってのはそういうことじゃないんだよ。
 『フロは週1回』って言われた時に、
 『そうですか。わかりました』って返事すりゃ~いいじゃないか。
 弟子になるって事はそういうこったろ?
 0.2秒の返事、忘れるな!」

たった、それだけのことで、
中村さんは3時間近く、怒られたそうです。
師匠はそんな人なんですね。

皆さんだったら、どうします?
もう、出て行きますか?それとも、ついていきますか?

中村さんはついていくんです。
「すみません!」って言ってついていくんです。
そこが、偉いとこですね。

さぁ、盛り上がってきましたね。
次回は中村さん、どうなってしまうのでしょうか?
目を離せません!

今週も元気な「返事」で頑張りましょう!

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