2012年07月11日
奇跡のリンゴ2
さて、昨日のお話の続きです。
(↓ 昨日の記事を読んでない方は、まずコチラから
奇跡のリンゴ1
)
青森県のリンゴ農家だった木村秋則さんは、
リンゴへの農薬散布で、
奥様がいつも1週間も寝込んでしまうのを見て、
「無農薬・無肥料」のリンゴ栽培を手がけます。
ところが、6年間、まったくリンゴがなりません。
近所の人からは陰口をたたかれ、
娘さんには
「私の家はリンゴ農家ですが、
私はウチのリンゴを食べたことがありません」
と作文に書かれ…
3人の子供達に消しゴムも買ってやれず、
3つに切って使わせるほど
辛い日々を送ります。
ついに、木村さんは死を決意して、山に登ります。
ロープを木にかけようとしたところ、
ロープがあらぬ方向に飛んで行ってしまいました。
(ここまでが前回のあらすじです)
--------------
ヒダカズ講演録
21.根を養えば樹おのずから育つ その2
─ 自然の中で生きる力 ─
もう耐えられなくなった木村さんは、
ある日の夜、山へ向かうんです。ロープを持って。
ついに、死のうと思ったそうです。
岩木山を2時間くらい登って、
ロープを木にかけようと、投げたんですね。
そしたら、ロープはあらぬ方向に飛んでいってしまったので、
拾おうと山の斜面を降りかけた瞬間…
…月の光の下に、リンゴの木を見つけるんです。
「なんでこんな山の中にリンゴの木があるんだ?
しかも、こんなにのびのびと枝を伸ばし、
びっしり葉が繁っている!
誰が農薬をかけているんだ?
いや、農薬など一滴もかかっていないはずだ!」
…木村さんは夢中で木に駆け寄りました。
そしたら、ドングリの木だったんです。
でもね、木村さんにとっては同じことなんです。
「だれの手も借りず、農薬もかけられていないのに、
なぜこの木はこんなに葉をつけているのか?」って。
そして、ハッと気がついたんですね。
森の木々は、農薬など必要としていないってことに。
リンゴ畑と森の決定的な違いは土でした。
雑草が生え放題で、地面は足が沈むくらいフカフカしている。
土がまったく別物だったんです。
においも全然ちがうんです。
木村さん、思わず土を口に含んだそうですよ。
そして、これに間違いないと確信したんですね。
今まで、リンゴの木を見上げるばかりで、
土の事をまったく考えていなかったんです。
目に見える部分ばかりに気を取られて、
目に見えないものを見る努力を忘れていたんですね。
そして、それから木村さんは
生き返ったように土づくりに精を出します。
毎日のように土を掘って観察をし、雑草を生やし、
微生物がたくさん住めるように、いろんな虫も住めるように
…山の土と同じ土を目指して頑張ったんですね。
リンゴの木は、少しずつ、少しずつ元気になっていったそうです。
そしてついに9年ぶりに、木村さんのリンゴは花を咲かました。
感動なんてもんじゃなかったでしょうね~。
畑一面に咲くリンゴの花を見て、
木村さんは奥さんと一緒に、立ち尽くしていたそうです。
こうやってできた木村さんのリンゴ…
ものすごく美味しいそうです。
このリンゴを食べた、本の著者の石川さんが、
うまいこと書くんですよ。
「信じられないくらい美味しかった。
あまりにも美味しいものを食べると、
人は涙を流すのだということをその時初めて知った。
自分の全身の細胞が喜んでいるような感じがした」
なんて。スゴイですね。
木村さんのリンゴは、2年間置いておいても腐らないんですって。
普通のリンゴは、置いておいたら、どんどんブヨブヨになって、
腐っていくでしょう。
でもね、木村さんのリンゴは、腐らずに、
どちらかというと枯れていくそうです。
そして、香りも残っているんですって。
台風が青森を直撃した日。
周りのリンゴ農家はほぼ壊滅状態だったのに、
木村さんの畑のリンゴは、2割が落ちただけだったんですって。
あの強い暴風雨の中でも8割のリンゴが落ちずに残っているんですよ。
まさに、「奇跡のリンゴ」ですよね。
どうしてこんなに違うと思いますか?
無農薬にするだけで。
普通のリンゴの木は、根っこがせいぜい数メートルなんですって。
でもね、木村さんの畑のリンゴは、
なんと20メートル以上も根を伸ばしているんです。
そして、病気にも強い。
なんと、葉っぱに病気ができると、
葉っぱがその部分にだけ水分を供給しないようにして、
その部分だけを枯らしてしまうんですって。
だから、真ん中に丸い穴が開いている葉がある。
自分で、自分の病気の菌を殺しているんです。
だから、少し病気にかかっても、全然広がらないんですって。
結局ね、
農薬を使うと、リンゴの木自身が、
病気や虫と戦う力を衰えさせてしまうんですよ。
人間も同じですね。
楽をするとダメなんですよ。
(まだ続きます!)
奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録
(著:石川拓治 幻冬舎)

↓こちらもよろしくお願いします。(*^o^*)
ウエジョビの日常。─校長ブログ─
最近の記事は 179-木下晴弘先生inウエジョビ比田井塾

(↓ 昨日の記事を読んでない方は、まずコチラから
奇跡のリンゴ1
青森県のリンゴ農家だった木村秋則さんは、
リンゴへの農薬散布で、
奥様がいつも1週間も寝込んでしまうのを見て、
「無農薬・無肥料」のリンゴ栽培を手がけます。
ところが、6年間、まったくリンゴがなりません。
近所の人からは陰口をたたかれ、
娘さんには
「私の家はリンゴ農家ですが、
私はウチのリンゴを食べたことがありません」
と作文に書かれ…
3人の子供達に消しゴムも買ってやれず、
3つに切って使わせるほど
辛い日々を送ります。
ついに、木村さんは死を決意して、山に登ります。
ロープを木にかけようとしたところ、
ロープがあらぬ方向に飛んで行ってしまいました。
(ここまでが前回のあらすじです)
--------------
ヒダカズ講演録
21.根を養えば樹おのずから育つ その2
─ 自然の中で生きる力 ─
もう耐えられなくなった木村さんは、
ある日の夜、山へ向かうんです。ロープを持って。
ついに、死のうと思ったそうです。
岩木山を2時間くらい登って、
ロープを木にかけようと、投げたんですね。
そしたら、ロープはあらぬ方向に飛んでいってしまったので、
拾おうと山の斜面を降りかけた瞬間…
…月の光の下に、リンゴの木を見つけるんです。
「なんでこんな山の中にリンゴの木があるんだ?
しかも、こんなにのびのびと枝を伸ばし、
びっしり葉が繁っている!
誰が農薬をかけているんだ?
いや、農薬など一滴もかかっていないはずだ!」
…木村さんは夢中で木に駆け寄りました。
そしたら、ドングリの木だったんです。
でもね、木村さんにとっては同じことなんです。
「だれの手も借りず、農薬もかけられていないのに、
なぜこの木はこんなに葉をつけているのか?」って。
そして、ハッと気がついたんですね。
森の木々は、農薬など必要としていないってことに。
リンゴ畑と森の決定的な違いは土でした。
雑草が生え放題で、地面は足が沈むくらいフカフカしている。
土がまったく別物だったんです。
においも全然ちがうんです。
木村さん、思わず土を口に含んだそうですよ。
そして、これに間違いないと確信したんですね。
今まで、リンゴの木を見上げるばかりで、
土の事をまったく考えていなかったんです。
目に見える部分ばかりに気を取られて、
目に見えないものを見る努力を忘れていたんですね。
そして、それから木村さんは
生き返ったように土づくりに精を出します。
毎日のように土を掘って観察をし、雑草を生やし、
微生物がたくさん住めるように、いろんな虫も住めるように
…山の土と同じ土を目指して頑張ったんですね。
リンゴの木は、少しずつ、少しずつ元気になっていったそうです。
そしてついに9年ぶりに、木村さんのリンゴは花を咲かました。
感動なんてもんじゃなかったでしょうね~。
畑一面に咲くリンゴの花を見て、
木村さんは奥さんと一緒に、立ち尽くしていたそうです。
こうやってできた木村さんのリンゴ…
ものすごく美味しいそうです。
このリンゴを食べた、本の著者の石川さんが、
うまいこと書くんですよ。
「信じられないくらい美味しかった。
あまりにも美味しいものを食べると、
人は涙を流すのだということをその時初めて知った。
自分の全身の細胞が喜んでいるような感じがした」
なんて。スゴイですね。
木村さんのリンゴは、2年間置いておいても腐らないんですって。
普通のリンゴは、置いておいたら、どんどんブヨブヨになって、
腐っていくでしょう。
でもね、木村さんのリンゴは、腐らずに、
どちらかというと枯れていくそうです。
そして、香りも残っているんですって。
台風が青森を直撃した日。
周りのリンゴ農家はほぼ壊滅状態だったのに、
木村さんの畑のリンゴは、2割が落ちただけだったんですって。
あの強い暴風雨の中でも8割のリンゴが落ちずに残っているんですよ。
まさに、「奇跡のリンゴ」ですよね。
どうしてこんなに違うと思いますか?
無農薬にするだけで。
普通のリンゴの木は、根っこがせいぜい数メートルなんですって。
でもね、木村さんの畑のリンゴは、
なんと20メートル以上も根を伸ばしているんです。
そして、病気にも強い。
なんと、葉っぱに病気ができると、
葉っぱがその部分にだけ水分を供給しないようにして、
その部分だけを枯らしてしまうんですって。
だから、真ん中に丸い穴が開いている葉がある。
自分で、自分の病気の菌を殺しているんです。
だから、少し病気にかかっても、全然広がらないんですって。
結局ね、
農薬を使うと、リンゴの木自身が、
病気や虫と戦う力を衰えさせてしまうんですよ。
人間も同じですね。
楽をするとダメなんですよ。
(まだ続きます!)
奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録
(著:石川拓治 幻冬舎)

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Posted by 比田井美恵 at 13:13│Comments(0)
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