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2012年07月10日

奇跡のリンゴ1

先日、株式会社アビリティートレーニングの木下晴弘先生が
ウエジョビに来て、学生たちにお話をしてくださいました。
奇跡のリンゴ1

学生たちに話してくれた内容は、もう一つのブログ
「ウエジョビの日常。-校長ブログ-」に書く予定ですが、
木下先生がその中で、
「奇跡のリンゴ」の木村秋則さんの、
ある勝負というか、実験のお話をしてくださいました。
奇跡のリンゴ1

私たちも以前、木下先生から木村さんのお話をお聴きし、
NHK「プロフェッショナル」の木村さんのドキュメントに
感動しました。

ブログにも、この話を載せたつもりでいたのですが…
検索してみても出てこないんですね。
どうやら、載せていなかったようです。

そこで、今日は
ヒダカズの講演の中から
奇跡のリンゴについて語った内容をお伝えしたいと思います。

木下先生が学生たちに語ってくれた話を読む前に、
木村秋則さんのことを知っていたほうが
話がわかりやすいと思いますので…。

(木村さんは、数年前にかなり有名になり、
 本もたくさん出ていますので、
 ご存知の方も多いと思いますが…)

単なる農業の話ではありません。
木村さんのリンゴの話には、
まさに、生き方、あり方を
問われるようなことが書かれているのです。

以下、ヒダカズの講演録です。

----------

21.根を養えば樹おのずから育つ
 ─ 自然の中で生きる力 ─

最後に、「奇跡のリンゴ」の話をします。
青森県のリンゴ農家の木村秋則さんの話です。
以前、NHKの「プロフェッショナル」に出ていたのですが、
このときの反響がものすごかったそうです。

私もその番組を観てスゴク感動したのですが、
最近その木村さんについて書いた
「奇跡のリンゴ」 (著:石川拓治 出版:幻冬舎)
という本が出されたんですね。

それを読んだら、木村さんは、
番組で取り上げられていたことをはるかに超える、
ものすごいレベルの事をしていた、ということが
わかったんです。

もともと、木村さんは青森県でリンゴを作っていた人なんですが、
リンゴって、他の果物や野菜に比べて、
消毒がすっごく大変なんですよ。

リンゴの木っていうのは、とても弱いんですね。
すぐに病気にかかるし、虫もたくさんつく。
だから、消毒をしないでいると、
リンゴの木はどんどん病気になって枯れてしまうんですって。

木村さんの家もリンゴ農家でしたから、
もちろん、大量の農薬を使っていました。
木村さんの家でも、一年に10数回も、何百本というリンゴの木に
農薬をまいていたんですね。

ところがね、奥さんの美千子さんが、農薬に弱い体質だったんです。
農薬散布をするたびに、一週間も寝込んでしまっていたそうです。

だから、木村さんも何とかしないといけない、という思いがあったんですね。
でも、自分が物心ついたときから、親達がみんなそうやってリンゴを育てて、
それで生計を立てていたわけですから、
それが当たり前だと思っていたんですね。
疑問に思うことがなかったんです。

でもね、そんな時に、ある一冊の本と出会ってしまったんですよ。
木村さんは。

それは、「自然農法」という題名で、
農薬も肥料もやらずに行う農業について書いた本でした。

木村さんねぇ、もう何十回もその本を読んだそうです。
そして、「俺も無農薬でリンゴを育てる!」…と決心したんです。

最初のうちはうまくいっているように見えたんですって。
5月にはリンゴの花が咲き、
6月になっても、リンゴの木は元気だったんですね。

木村さんは、
「なんだ、こんなに簡単だったんだ」と思っていたそうです。

…ところが7月。リンゴの木が病気になります。
葉っぱが黄色くなって、どんどん落ちていってしまうんです。
葉が落ちると、リンゴは新しい葉をつけるんですが、
その葉も瞬く間に病気になってどんどん落ちていき、

…秋になったら、次々とリンゴの花が咲き始めてしまったんです。
「狂い咲き」なんです。
秋に咲くリンゴの花は、来年の春の花芽なんです。
つまり、来年は花が咲かない、
…イコール収穫がないってことを意味するんです。

恐ろしいですねぇ~…。
収穫がないってことは、収入がないってことなんですよ。
リンゴ農家にとっては。

もう毎日リンゴの木を見上げて、
何をしていてもリンゴのことばかり考えていたそうです。

農薬を使わない代わりに、何か効くものはないかと
片っ端から試してみたそうです。

牛乳を薄めてまいてみたり、
わさびを薄めてまいてみたり…
そんなことの繰り返しでした。

虫を退治するためにも、毎日毎日虫取りです。

農薬を使わないわけだから、
ひとつひとつ手で取っては、ビニール袋に入れ…なんてことを
本当に毎日毎日。

それでもリンゴはならなかったんですね。
そんなことが何年も続きました。

収入がないわけですから、生活が本当に大変だったと思いますよ。
子どもが3人いるんですが、
消しゴムだって、一つずつなんて買ってあげられないんです。
ひとつの消しゴムを3つに切って使わせていたり、
ホントに食べるものがなくて、雑草を食べていたりしたそうです。

辛いですよね…。
妻と子に満足に食べさせてあげることもできないんですから…。

4年経っても5年経っても、リンゴはならない。
近所からは、「かまど消し」と言われていたそうです。
「かまど消し」って言うのは、かまどの火を消してしまうってことで、
「一家の財産を食いつぶす、罰当たりな者」
っていう意味なんですけどね。

もう、近所の人たちは、「あいつは頭がおかしくなった」と
陰口をたたいていたそうです。

そりゃそうですよね。
リンゴ農家からすれば、農薬をまき、肥料をくれ、
雑草を刈って、大きなリンゴの実をならせる、といとうことが
当たり前のことですから。

リンゴの木の手入れをしないことは、
「悪」だったんですから。

この頃になると、木村さんもかなり追い詰められていたそうです。
夕方になって、みんなが農作業をやめて自宅に帰っていっても、
木村さんは一人リンゴ畑でブツブツつぶやいていたそうです。
リンゴの木、一本一本に話しかけているんですね。

「無理させてごめんなさい。 
 実がならなくてもいいから、どうか枯れないでね」って。

毎日毎日、そんなことを語りかけていたそうです。

ある日、娘さんが作文にこんなことを書いたんですって。

 「私の父はリンゴを作っています。
  でも、私は父のリンゴを食べたことがありません」

…ショックだったでしょうね。木村さん。
もう、6年もリンゴがなっていない…。

耐えられなくなった木村さんは、
ある日の夜、山へ向かうんです。ロープを持って。
ついに、死のうと思ったそうです。

岩木山を2時間くらい登って、
ロープを木にかけようと、投げたんですね。
そしたら、ロープはあらぬ方向に飛んでいってしまったので、
拾おうと山の斜面を降りかけた瞬間…

--------

続きは明日です。

奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録
(著:石川拓治 幻冬舎)
奇跡のリンゴ1



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Posted by 比田井美恵 at 15:58│Comments(0)考えさせられました
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