49 至誠27 与える者は与えられる

比田井美恵

2009年11月10日 18:18



さて、前回お休みをした、中村さんのお話のつづきです。

ジュース一本買うのにも、予想を上回る仕事をしていた中村さん達です。
行商の仕事も、お客さんの予想をかなり上回った仕事をしていました。

もちろん、いつも「元気なあいさつ」とか、
「最高の笑顔」なんていうのは当たり前だったと思います。
でも、それだけじゃないんですね。

たとえば、お客さんのなかで、
「今度、家の娘が引越しなのよ~。
だから、引越屋さんを頼もうと思っているの~」
なんていう人がいると、中村さんたちは、

「え~!引越し~! その引越し、夜でもよければ俺たちがやるよ。
野菜全部売りさばいた後、
トラックきれいに掃除してきて、やってあげるよ。
軽トラ3台もあれば十分でしょ。
いつも世話になっているんだから、
そのくらいのこと俺達がやってやるよ」

なんて言って、引越しをしてあげるんです。
しかも、その引越しも普通の引越しでは意味がありません。
予想を上回らないと・・・。

引越し前にみんなで円陣を組んで、
「いいか、この引越しで、あのお母さんビックリさせてやろう。
「どれだけ早く」、
「どれだけキレイに」、
「どれだけ丁寧に」やれるか、
俺ら次第ぞ!」

こんなことを言って、物凄い引越しをするんですって。
もう、お母さんも娘さんもビックリなんです。
そして、終った後は大喜びしてくれて、
「ありがとね、ありがとね」って言ってくれるそうです。

さらに、自治会で廃品回収があるなんていうと、
「廃品回収があるそうですね。
その廃品回収、俺らがやるからお年よりは家でゆっくりしとって!
男6人もいるし、軽トラ3台もあって、見た目はハデですし、
マイクとスピーカーはついているから、もうバッチリです。
お年よりは休んどって!」
なんて自治会長さんのところに行って言うそうです。

もちろん、このときも円陣を組んで、
「あの自治会長さん、ひっくり返らせてやろう!
どれだけ廃品を集められるか、俺ら次第ぞ!」
と気合を入れて、廃品を山ほど集めてきたそうです。

自治会長さんはビックリして、
「ありがとう、ありがとう」って言って、
「もしも、もっとお金になる行商のルートが見つかっても、
この地区だけははずさないで来てくれよ。
俺達、お前達からいっぱい元気をもらっているから、
お前達が来なくなったら寂しいから、絶対にはずさないでくれよ。」

なんて言って、自治体をあげて応援してくれたそうです。

こんなふうにしていると、みんなが応援をしてくれて、
誰も浮気をしなかったそうです。

近くに安いスーパーがあって、
中村さんたちの野菜の方が高いの知ってて、
品数も少ないのを知ってても

「あんた達の応援団だから、あんた達の応援団だから」って言って、
誰も浮気をすることなく、みんな買いに来てくれたんですって。

まさしく、「与える者は与えられる」ですよね。
この世の中、そういうふうにできているんですよね。

だから、「与えること」を忘れて、
「もらう」ことばっかり考えていてもいい事ないですよね。
見返りを求めず、まわりの人に喜んでもらえることをしていったら、
みるみるうちに人生なんて変わっちゃいますよね。

やっぱり、大事ですよね。

さぁ、今日も「与える生き方」を忘れずにいきましょう!

----------

↓「比田井通信だけまとめて読みたい!」という方はコチラ!

【比田井通信】 最初の記事から読む  前の記事を読む  次の記事を読む

----------

↓人気ブログランキング参加しています。押してもらえると嬉しいです。


関連記事