われこそ先に

比田井美恵

2011年01月24日 22:28

今日、長野便教会の太田智明先生から、
「長野便教会会報50号」が届きました。

長野便教会とは、
「教師の教師による教師のためのトイレ掃除に学ぶ会」
の長野県支部という意味で
太田先生が立ち上げたものです。

便教会の「便」は「トイレ」つまり「便所」の便なんですね。
長野県内のあちこちで、いろんな学校の便所掃除をしながら
ココロを磨く、という活動をされています。



教師が中心となって始めたのですが、
今では生徒や一般企業の方もたくさん参加されています。

↑上の写真、小さくてわかりづらいかもしれませんが、
みんな素手でトイレ掃除をしているんです。

私も一度だけ参加させていただいたことがあるのですが、
太田先生は、そんな、たった一度参加させていただいただけの私にも
会報をちゃんと送ってくださるんです。ありがたいことです。

今日の会報、物凄くココロに刺さりました。
ぜひみなさんにも…と思い、
太田先生の許可をちょうだいして
掲載させていただくことにしました。
(太田先生、0.2秒のご快諾、ありがとうございました!)

画像では字が小さいので、画像の下に、文章を改めて記載しています。



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1 「われこそ先に行かましものを」の実践者たち

私たちは、県外の皆さまから
「長野は教育県ですね」と声をかけていただくことがよくあります。
長野県で生まれ育ち、そのまま長野で教師をしている私たちには、
自分たちが普通にしていることの何がそう言わしめているのか、
よくわからないところもあります。

しかし、私たち長野の教師は、
大正から昭和にかけて南信州の平谷(ひらや)村で教鞭をとっておられた
林芋村(はやしうそん)先生の遺された短歌

深雪(みゆき)せる 野路(のじ)に小さき 沓(くつ)の跡 われこそ先に 行かましものを
の精神を大切にしていることは確かです。

今回は、最近私に届いた長野便教会の先生方からのメールを紹介しますが、
長野便教会のメンバーはまさしくこの精神の実践者ばかりで、うれしい限りです。


 「雪の朝のできごと」 長野市立豊野中学校教諭・滝澤直子

今週は大雪で、17日(月)は学校の雪かきが大変でした。
でも、以前に太田先生から雪かきの話を聞いたことや、
「深雪せる・・・」の短歌を思い出しながら、
一番乗りで雪かきを始めることができました。

とにかく、「生徒が来る前に、校門から昇降口までの雪をかいておかなきゃ」
と思ってやっていたのですが、
私が雪かきをし始めて、15分くらいで生徒がやってきてしまいました。
見ると、私のクラスの女子生徒でした。
まだまだ雪かきが終わりそうもありません。

毎年、部活動ごとに1・2年生が雪かきをしている姿はありますが、
3年生がやっている姿は豊野中ではほとんど見たことがありません。

でも、昇降口が開くまで暇そうにしていたその生徒に
「一緒にやらない?」と言ってみると、「いいですよー!!」と、
何だか嬉しそうに雪かきを始めてくれました。

次にやってきた生徒も、私のクラスの女子生徒でした。
その子も、自然と手伝ってくれました。
それから、次から次へと登校してくる私のクラスの生徒が
みんな雪かきを始める、ということになってしまいました。
結局、クラスの半分くらいの生徒が自主的に雪かきをしてくれました。
とても感激です。

「雪かき」って、後から来る人のためにすることですよね。
始めに来た自分はズボズボっと雪の中を歩いてくるので、
靴がびしょびしょ、靴下までぬれちゃいますが、
後から来る人のために少しでも歩きやすく、少しでも靴がぬれないように
・・・ってやるものですよね。

思いやりの心だと思います。
しかも、部活も引退して、生徒会も引継ぎが終わり、
「やらされる」のではない3年生が率先してやってくれた、ということに感激しました。

次の日(18日)もまた雪が降りました。
私に言われたわけではないのに、前日よりも多くの生徒が雪かきをしてくれました。
前日より早い時間に来て始める生徒もいました。

今まで3年間クラスをもっていて、
一番感激して、一番手ごたえを感じた瞬間だったかもしれません。
雪が降るのが楽しみになってしまいました。

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(長野便教会会報50号より引用)

私、恥ずかしながら、林芋村先生のことは知りませんでした。

「深雪(みゆき)せる 野路(のじ)に小さき 沓(くつ)の跡
 われこそ先に 行かましものを」

…深い雪がつもった日の朝、
 学校への道に、子ども達のわら靴の小さな足跡を見つけ、
 こんな日でも、朝早くからちゃんと学校に通う子ども達に思いを馳せると同時に、
 「私が先に行って雪かきをしなければならなかったのに…
  教室を暖めておかなければならなかったのに…」と、
 自分を責めた…というような意味だそうです。

心に刺さりました。
「われこそ先に」…今の私に一番必要な言葉だと思います。
まずは自分が動かなければ…ってことですよね。
ホント、心に刺さります。。。

林芋村先生に関して、
こちらのブログにも、素晴らしいエピソードが載っていました。

信州伊那谷の酒屋さん、「まつのや」さん
【校長室の窓】


素晴らしい先生ですね。林先生。
勉強になります。

そして、滝澤直子先生の文章にも感動しました。
林先生の、この句を思いながら、
「われこそ先に」と、一番に学校に行かれたんですね。

そして、クラスの子達が手伝ってくれたんですね。

滝澤先生、何度かお会いしたことがあるのですが、
本当に素敵な女性なんです。
いつも笑顔がキラキラしていて、
まさに「気立てが良い」お嬢さんなんですね。
息子のお嫁さんにしたい、と思うような方なんです。

私は彼女の先生ぶりを見たことはありませんが、
きっと、今までの彼女の「あり方」が
ちゃんと生徒さんたちに伝わっていたんでしょうね。
彼女の「思いやり」を生徒さんたちもわかっていたんでしょうね。

だから、みんな喜んで手伝ってくれたんでしょう。
翌日は、さらに早く来てくれた、なんて…。
読んでいて感動してしまいました。

林先生、滝澤先生、生徒さんたちの素晴らしい心に触れて…
自分は何をしているんだろうと、
そんな事を思っていたら、
自然と涙が出てきてしまいました。

「われこそ先に」

心にしっかり刻んでおきたいと思います。

そして、この便教会をまとめてくださっている
太田智明先生は、まさに「われこそ先に」の方なんですね。

便教会をまとめるのは、本当に大変だと思います。
「ウチの学校で掃除に学ぶ会をやりたい」、という声を聞けば
すぐに用具やリーダー、人員の調整したり段取りをしたりして、
下見にまで行って準備をし、
「掃除に学ぶ会」を開催するのです。

本当に行動力のある方なんです。すごすぎます。

さて、長野便教会の今までの会報ですが、
コチラのホームページからすべて読むことができます。

ぜひ読んでみてください。
長野便教会のご紹介

そして良ければ、一緒に
掃除に学ぶ会に参加しましょう!^^

■ 一般参加可能なヒダカズの講演会情報 ■■

■1/29(土)10:00~12:00 伊那市いなっせ 入場無料 伊那市教育委員会
■2/12(土)14:00~16:00 大阪市西区 四ツ橋日生ビル307号 3,000円 
■2/27(日)13:30~15:30 佐久市駒の里ふれあいセンター 入場無料 佐久市社会福祉協議会
■3/15(火) 埼玉県さいたま市13:00~15:00/特別養護老人ホーム扇の森/入場無料/社会福祉法人永寿荘 048-625-5000(安藤)

【おススメ講演会情報】
■4/7(木) 11:00~12:45/上田市民会館/佐藤芳直氏講演会「素晴らしく楽しい人生を送るコツ」/入場無料/上田情報ビジネス専門学校 0268-22-0255

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