誰にも負けないものをまずひとつ作れ

比田井美恵

2022年01月19日 18:58

今までにブログにアップしていなかった
比田井通信よりお届けします!

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比田井通信-私は幸せです!-第729号
(2021.10.1発行)

さぁ、今日こそ大愚和尚の
高校時代のお話をしますよぉ~。
(といいつつ、最初は中学の話です)

ここからがホントに大愚和尚の
面白いところなんです。



前々回のヒダツーでは
「お寺の子」として、
髪の毛も伸ばすことができず、
部活の朝練にも行けないような
辛い中学時代のお話をしました。

そんな大愚和尚ですが
中学に入って得意な科目ができました。

英語です。

なぜ、英語が得意になったかというと・・・

大愚和尚は小さい頃から
お経をずぅ~っと読んできたんです。

読んできたというより、
読まされたという方が正しいですね。

さらに言えば、
「覚えさせられた」んです。

お経って、全部漢字なんです。
それも難しい漢字がいっぱいです。

意味なんてわかりません。

その意味も分からない
漢字だけのお経を
何度も何度も読まされて、
覚えさせられたんです。

「できない」なんて
許されなかったそうです。

10回読んで覚えられなかったら100回。
100回読んで覚えられなかったら1000回です。

とにかく覚えるまでそれを小さい頃から
やらされてきたんです。

ところが、
中1の英語の教科書って
最初は

1ページ目に

「Hello Ken」
「Hello Mike」

って書いてあって
その下にKenとMikeの
絵が描いてあるんです。

これを見た大愚和尚は
「なんて、簡単なんだ・・・」
って思ったそうです。

そりゃそうです。
意味の分からないお経を
ずっと暗記してきた
大愚和尚にとって
中一の英語の教科書なんていうのは
もう絵本のようなものです。

もぉ、あっという間に
テキストを全部暗記してしまうんです。

お経に比べたら
遊んでいるようなものです。

で・・・授業中はずっと
英語の辞書を読んでいたそうです。


実は・・・

大愚和尚、もうこの頃から
お寺を出ていくことを考えていました。

気持ちはわかります。
どう考えても理不尽な環境なんです。

「こんなところにはいたくない!」
って思って、寺を出ていくことを
考えていたんです。

できれば海外にも行ってみたいと
思っていたそうです。

さらに、大愚和尚の住んでいる
福厳寺は540年の歴史があります。

小牧市の文化財があるんです。
だから、時々、外国から来た
観光客の方が福厳寺を訪れるんですね。

大愚和尚は外国に興味がありますから、

「アメリカってどんなところなんですか?」

なんて聞きたいんです。

外国人が英語でしゃべっている話を
聞きたいんです。

だから、授業中、辞書を見ながら
いろんな単語や単語の下にある
例文を端から覚えるんです。

そして福厳寺にきた
外国人の方と話をして
英語力を高めます。

なぜ、大愚和尚がそんなに
英語を頑張ることができたかというと、
自分の未来が不安で不安で
仕方なかったからなんです。

当時の福厳寺の住職であるお父さんは
いつもこう言っていました。

「うちはお寺だ。
 残せる財産もなければ、
 残せる資産もない。

 お寺は個人のものじゃない。
 だから、住職である自分が死んだら
 みんなこの寺を出て行かなきゃいけないんだ。

 だから、誰にも負けないものを
 まずひとつ作れ。

 ひとつ作ったら、もう一つ。

 そうやって、自分にできるものを
 ひとつでも多く増やしていくんだ」

大愚和尚は
小さい頃からこんなふうに言われて育ってきたんです。

だから、大人になったら誰にも頼らず
自分で食っていかなきゃいけないと
ずっとそう思っていたそうです。

その頃の大愚和尚の唯一の得意なことが
英語だったんです。

将来、寺を出て、
得意な英語を使って
外国に行って暮らす。

そんな漠然とした将来のイメージでした。

そんな大愚和尚も高校生になります。

周りの友達は
「将来は〇〇になる!」
なんて言っているわけです。

でも、大愚和尚には
それがなかったそうです。

逆に、

「絶対になりたくないもの」

があったんです。

それが「僧侶」です。

「絶対に坊さんにだけはならない!」

と強く思っているんです。


だから、
いつか寺をでなくては
いけないんです。

誰にも頼らずに生きて行かなくては
いけないんです。
親にお金を出してもらったら
親の言うことを聞かなくてはいけません。

でも、それだけは嫌なんです。

そのためには「お金」が必要です。

高校生の大愚和尚は考えます。

高校はアルバイトが禁止されています。

そんなときに思いついたのが
お寺の一室を使って
英語の塾をすることです。

チラシを作って
学校帰りにポスティングをするんです。
住宅地を歩いて洗濯物を見て
小学生や中学生がいそうな家のポストに
そのチラシを入れるんです。

これがですね、
意外にも集まったそうです。

大愚和尚が言うには

親御さんたちが、どうやら
「息子の英語の成績を伸ばしてほしい!」
…というよりは

「お寺の息子さんがやっている塾だから
 しつけをしっかりしてくれるんじゃないか・・・」

と期待していたようなんですね。

塾に来た子どもたちに
大愚和尚が徹底して身に付けさせたのが
「辞書引き」です。

小学校1年生にも 
「辞書引き」を徹底してやらせたそうです。

それも、テキストにわからない単語が出てきたら
辞書を見ずに、
「このあたりだ!」とパッと開いた時に、
その単語のページが出るようになるまで
やらせたそうです。

その単語が辞書の中の
どの辺にあるのかなんて
よほど辞書をひいて
よほど英語の感覚が研ぎ澄まされてこないと
わからないですよね。

ところが、
1年2年やっていると
小学生でも片手であっという間に
その単語が引けるようになるんですって。

大愚和尚も言っているのですが、
人が成長するために
とっても大事なことがあります。

例えば勉強なんてわかりやすいですね。

中にはまんべんなく
全科目が得意な人も稀にいます。

でも、勉強が苦手な子に
まんべんなく
全科目をできるようにさせるのは
至難の業です。

まずは、ひとつです。

英語で言えば
大愚和尚の場合は
「辞書引き」なんです。

「単語を覚えろ!」じゃないんです。

「辞書引き」のトレーニングを徹底するんです。

英語でつまずくのは
わからない単語が出てきた時です。

わからない単語がいくつも出てくると
だんだんイヤになってきて
英語嫌いになります。

辞書を引こうと思っても、
目的の言葉にたどり着くまでに時間がかかるようでは
どうしても面倒に感じて
引かなくなってしまいます。

結果、わからないので嫌いになってしまうのです。

大事なことは
わからないときに
どうしたらいいか・・・

これを知っている人が
「できる人」。

こういう人が伸びるんです。

英語に限ったことじゃないですよ。

人生も一緒です。

わからないことが出てきたとき、
なにをよりどころに生きていくのか、
これがある人は大丈夫です。

英語は「辞書引き」さえ
苦にならなくなれば、
わからない単語が出てきても
すぐに辞書が引けるんです。

大愚和尚はわからない単語が
でてきてもその場では教えませんよ。
「辞書を引いてごらん」と言うだけです。

そして、その「辞書引き」を
誰にも負けないレベルでマスターさせます。
目を閉じてもその単語のある場所が
片手でもわかるぐらいにするんです。

これが「一点突破」です。

これができるようになった子たちは
中学に入ってからもどんどん伸びていくんです。
結果、とても評判のいい塾になるんです。

なんと大愚和尚、高校3年間で
100万円を超えるお金を手に入れます。

高校生で100万円って言ったら
大金ですよね。

「もうこれだけあれば、
 一生一人で生きていける!」

ぐらいに思っていたそうです。

ただ・・・、そんなに甘くはありません。


「このあと、手痛いしっぺ返しがきた」

と大愚和尚、言ってます。

今日はこの辺にします。

来週は大愚和尚の受験のお話です。
私が大愚和尚を大好きになった
とっておきのエピソードがあります。

ぜひ、お楽しみに!


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2021.7.14放送【そんな挨拶してたら返事も返ってこないわけだ】
この4月にウエジョビに入学してきた「Kくんシリーズ」第2弾です。とにかく意外な展開です(笑)


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