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2010年05月13日

ブレービーの島野さん…

昨日の新聞に、ブレービーの島野修さんが59歳でお亡くなりになられたとの
記事が載っていました。

ブレービーの島野さん…

島野修さん死去 球団マスコット演じ18年

島野修氏死去…59歳 巨人、阪急でプレー

ちょうど数ヶ月前、読者の方から教えていただいて、
島野さんのことが書いてある本、
「ドラフト1位 九人の光と影」
を読んだところだったので、
ショックでした…。

以下、この本からの要約抜粋です。

----------

島野修さんは、昭和25年神奈川県横浜市生まれ。
野球の名門武相高校でめきめきと頭角を現し、
「神奈川に有望新人あり」と話題になった。

この年のドラフトは逸材ぞろい。
田淵幸一、山本浩二、星野仙一、山田久志、東尾修らがいた。

球団の指名順序、そして、さまざまな駆け引きや思惑の中で、
巨人は急遽、島野を1位指名した。

鳴り物入りで入ったものの、
精神的なもろさもあり、
10年間プロとして活動したものの、
巨人から阪急に移籍してからも成績はふるわず
通算1勝4敗で現役を退いた。

その後、喫茶店とスナックを経営していたが、
ある日、阪急ブレーブスから声がかかる。

「阪急のマスコット人形の中に入らないか」

このとき、阪急は3年連続で日本一になったが、
観客動員は少なく、人気がないチーム。
球団は、この現状を打破するために、
本格的にマスコット人形を導入し、
メジャーリーグ並みのファンサービスを行いたいと目論んでいた。

当時、日本の野球界では、
日ハムのギョロタンがいたが、存在感は薄かった。

メジャーリーグのマスコット人形は、
日本のものとはまったく違った。
グラウンドを所狭しと走り回り、
会場を大いに沸かせていたのだ。

「野球を知っていないとできない仕事だよ」との言葉に、
島野は悩んだ末、阪急ブレーブスのマスコット
「ブレービー」に入ることにした。

サーカスに行ってピエロの動きを観察したり、
人形劇団に行って、レッスンを受けたりした。

本来、
マスコットの中に誰が入っているというのは禁句だが、
島野がマスコットに入ることは
マスコミに知られてしまった。

「ドラフト1位で巨人に入団したのに活躍できず、
 すっかり落ちぶれてピエロになってる」

という内容だった。
相手チームの野次はひどかった。

「島野、そんな情けないこと、よくやってられるな」
「ドラフト1位が泣くぞ。はずかしくないのか」

ブレービー2年目を迎えた夏には、
「今年一杯でやめよう」
と考え、酒で気を紛らわす日も多くなった。

8月のある日。
仕事が終わった島野は、
いつものようにグラスを手にしながら
「仕事辛いな」とばかり考えていた。
気持ちも滅入っていた。

夏休み中とあって、
居酒屋にも親子連れが多かった。
小学生の少年と父親が隣の席にいた。

少年はビールを飲んでいる父親に言った。

「お父ちゃん、今日のブレービー面白かったね」
「そうや、ほんまに面白かったなぁ」

島野はわが耳を疑った。
相手に悟られないように聞き耳を立てた。

少年はもう一度言った。

「お父ちゃん、またブレービー見に連れて行ってね」
「ええよ。また行こうな」

島野は後で語った。

「普通は、試合が面白かったと言うんです。
 ところがブレービーが面白かったと言った。
 一人でも俺を見に来てくれているお客さんがいるんだと
 自分に言い聞かせた。その時目が覚めた」

翌日から、気持ちが楽になっている自分がいた。
試合中にパフォーマンスをすれば、
「あ、あそこで笑っている」
「あそこはもうひとつやな」と
周囲に目を向ける余裕が出てきた。

「島野、ドラフト1位の看板が泣くぞ!」
そんな野次に、一瞬、球場が静まり返ると、
そのお客の前まで行って、ジェスチャーをした。

「俺のギャグがわからんのか! お前、あほと違うか」と
首を左右に振ると、
突然背中を見せて腰を突き出し、
左右に小刻みに振った。

「こりゃ参ったな」と笑いが起こる。
ブレービーが一本とった瞬間だった。
島野が見栄を捨てた瞬間でもあった。
「あの坊やの言葉で18年間できました」


日ハムのリリーフエース、江夏豊がマウンドに上がると、
相手チームは意気消沈してしまう。お客様もそうだ。

そんな中、
ブレービーは江夏のまねをして
腹を揺すって、ガニ股で歩く。

江夏がかもし出すオーラがいつの間にか消えて、
明るい雰囲気が広がっていく。

江夏は無表情で投球練習を始める。

ブレービーは突然、江夏と同じしぐさを演じる。

グローブを左手にはめ、右足を前に出して、右ひざにグローブをかぶせる。
両足を肩幅よりも広げて仁王立ちになる。
体を前にかがめ、ボールを握った左手を腰の後ろに当て、
捕手のサインを覗き込む動作である。

ときおりせり出したお腹をポンとたたく癖まで
ブレービーは繰り返し演じる。

再び笑いが起こって、球場が和やかになる。

ファンの気持ちを大事にし、
ファンの代わりに、審判に抗議しにいくジェスチャーをしたり、
サービス精神旺盛だったブレービーは、
押しも押されぬ人気者になり、
阪急ブレーブスの観客動員数が100万人を突破。
最大の要因は、ブレービーの奮闘にあった。

「島野君のおかげで100万人いったよ」

平成元年に
阪急ブレーブスがオリックスブレーブスになり、
マスコットが「ネッピー」になってからも、
島野は活躍し続けた。

そして、平成8年には、
マスコットとして1000試合出場し、
パ・リーグから表彰をされている。

その年、オリックスは日本一に輝いた。
島野はマスコットの中で涙を流した。

平成10年48歳でネッピーを引退。
実は、マスコットに入っていることは重労働。
10キロもの重さの着ぐるみを着て走り回り、飛び回ると
一度に2キロはやせていたほどで、
もう膝が言うことをきかなくなってしまったのだという。

引退後、島野はこう言った。

「僕は1勝4敗で終わった投手だから偉そうなことは言えない。
 でも、”お前はドラフト1位で選ばれた選手なんだから”と
 誇りを持って行動してきました。
 マスコットを被っても、そう思っていました。
 やはり看板なんです。
 僕にとってはすごく重みがあるんですわ」

----------

以上、「ドラフト1位 九人の光と影」(著:澤宮優 出版:河出書房新社)より要約引用。


偶然聞いた少年の一言が
島野さんを救ったんですね。

そして、その少年の言葉を宝物として
ずっとずっと大事にして、
…心の支えとして18年間も頑張り続けた
島野さんに脱帽です。

島野さんは間違いなく、
「日本の野球界を変えた男」だと思います。
舞台はマウンドの上ではなかったかもしれませんが、
彼の功績は本当に大きかったと思います。

そして、
「巨人のドラフト1位」という大きな重い看板を背負って、
いろんな思いがあったことでしょうが、

少年の言葉に目を覚まし、
マスコットという立場に徹して
野球界を盛り上げてくださったことに
本当に感謝です。

島野さんの、真面目で温かいお人柄が伺えます。

ありがとうございました。
心から感謝です。

ご冥福をお祈りします。

(by 比田井美恵)


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Posted by 比田井美恵 at 10:42│Comments(2)考えさせられました
この記事へのコメント
いつも ブログ楽しみにしてます

野球界にそんな話があったんですね

心にしみるお話ありがとうございます
島野さんのご冥福をお祈りします
Posted by えつろう at 2010年05月13日 10:51
えつろうさん

コメントありがとうございます!
そしていつも、ブログ読んでくださってありがとうございます。

島野さんの生きざまは
本当に心にしみますよね。

ありがとうございました。
これからもよろしくお願いします!(^-^*)
Posted by 比田井美恵 at 2010年05月17日 21:03
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