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2009年10月19日

27 至誠6 「作業」ではなく「仕事」を



さぁ、「至誠を貫くと、自分の長所が見つかる」という話をしてきましたが、
実は、至誠を貫くと運まで良くなるという話をします。

ここからは、芳直さんから教えて頂いた話をいくつかします。
先日の入学式特別講演で芳直さんがしてくれたお話です。

東京の三田に「コートドール」というフレンチレストランがあります。
斉須政雄さんという方がオーナーシェフをされています。

「ミシュランの三つ星」って聞いたことありますかね。
ちょっと前に有名になりましたよね。
このミシュランの三つ星に選ばれるということは
超一流のレストランだというお墨付きをもらうことなんですね。

その「三ツ星レストランに選ばれなかったのは、おかしい」と
言われているレストランがいくつかあるそうですが、
まさしく、コートドールはその一つです。

芳直さんが斉須さんに「ミシュランってどう思いますか?」と
聞いたところ、

「あれはビジネスですからねぇ」と言ったそうです。

どうやら、斉須さんはそのミシュランの三ツ星を断ったようなんです。

その斉須政雄さんが、まだ見習いの頃のお話です。
ある日、斉須さんが働いていたレストランに
フランスの超有名店(もちろん三ツ星です)から
一人のシェフが技術指導的な立場で1か月ほど、
来ていたそうなんですね。

もちろん、斉須さんは見習いですから、
そんな凄いシェフに教えてもらえるわけもなく、
毎日皿洗いをしていたそうです。

ところが、ある日の2時半頃、
斉須さんが皿を洗っている洗い場にそのシェフが来て
「手を洗わせてもらえる?」と言ったそうです。

斉須さんはすぐにそこをどいて、場所を譲ったそうです。
シェフは手を洗って去って行きました。

ところが、斉須さんはこのとき、「いやだな」と思ったそうです。
斉須さんは自分の洗ったお皿や、これから洗う皿に
そのシェフが手を洗った時の水しぶきが
飛んでいたからなんです。

次の日、斉須さんはシェフが来る時間のちょっと前に、
洗った皿と、洗いかけの皿をかごに入れ、
シンクの下に片付け、シンクをきれいに洗って、
そのシェフが来るのを待ったそうです。

それから1ヶ月間、
毎日同じ時間にそのシェフはきて手を洗っていったそうです。

もちろん、斉須さんは毎日シンクをきれいにして待ったんですよ。

そして、1か月が過ぎ、そのシェフが来る最後の日に
いつもどおりシェフが来て、手を洗って帰るときに、
横にいた斉須さんに「ここは君の持ち場?」って聞いたそうです。
初めて声をかけてくれたんですね。

その頃、斉須さんは「いつかフランスで料理を学びたい」と
思っていたそうなんですね。
ですから、そのシェフに

 「私はフランスで料理を勉強したいと思っています。
 どうしたら、フランスで料理の勉強ができるでしょうか?」

と思い切って聞いてみたんですね。

するとそのシェフはこんなふうに言ったんです。

 「それは、やめておいたほうがいい。
 フランスにはまだまだ人種差別があって、
 白人、黒人、黄色人種の順番で、
 日本人の君がフランスに来ても
 黒人のアシスタントしかできない。
 このまま、日本いた方が君のためだ」

斉須さん、ガッカリしたでしょうね。

ところが、1ヶ月ほど過ぎたころ、
そのシェフから一通の手紙が斉須さんのところに届きます。

その手紙の中にはフランス行きのヒコーキのチケットと
そのシェフのレストランでの労働許可証、
そして「君さえよければうちのレストランで働かないか?」
という手紙が入っていたそうです。

その手紙を受け取って、
斉須さんはすぐに働いているレストランをやめて、フランスに行きます。

空港では、シェフが待ってくれていたそうです。
斉須さんは走って行って
 「なぜ、私なんですか?
 なぜ、私をフランスに呼んでくれたんですか」
って聞いたそうです。

するとシェフは

 「君は私が洗い場にいくと、いつもシンクを磨いて、
  きれいにしておいてくれただろう。
  だから、君なんだ」

って言ったそうです。

みなさんはこの話を聞いてどう思うでしょうか?
そんなことで、フランスに呼んでもらった斉須さんはツイていますね
って思いますか?

芳直さんはこう言っていました。
 「あたり前のことを、あたり前じゃない情熱でやるとき、
  ツキの門が開く」

斉須さんは、せっかく洗った皿が
水しぶきで濡れるのがいやだったんです。
これは、もしかしたら「あたり前」のことかもしれないです。

でも、斉須さんは、それから毎日、同じ時間にわざわざ皿を片づけ、
手を洗う人が少しでも気持ちがいいように
シンクもきれいに洗ったんです。

これは、まさしく「あたり前じゃない情熱」ですよね。
だから、ツキの門が開いたんです。

斉須さんに、「どんな人と、一緒に働きたいですか?」と聞くと、
こんなふうに答えるそうです。

皿洗いを頼んで、「終わりました!」と言われて洗い場に行くと、
そこには汚れた鍋がおいたままになって、シンクも汚いまま・・・。

そこで、「まだ、終わってないじゃないか」と言うと
「皿を洗えと言われたので、皿は洗いました」
と平気で言える人とは一緒には働けませんねぇ。

確かにそうです。
「皿を洗え」と言われて皿だけしか洗えないのは
「仕事」とはいいません。「作業」です。

「皿を洗え」の一言の奥底まで理解して、
自分にできる精一杯のことをするのが「仕事」です。

「仕事」とはそういうものです。

みなさんには将来、そんな仕事をしてほしいんです。

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Posted by 比田井美恵 at 19:34│Comments(0)比田井通信
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